重商主義批判
重商主義批判
スミスの重商主義政策への批判は、貨幣政策、関税政策、租税改革と国債の発行等について展開されている。重商主義は、絶対王政のもと、貿易によって財貨を得ることで一国の富を増大させようとしたが、その政策の結果として、逆に金貨幣が大量に国外に流出し、軍事支出の増大とともにイギリス経済を疲弊させる原因となっていた。スミスの批判は、トーマス・グレシャムに対する批判としての貨幣の改鋳であり、自由主義の立場からの関税の撤廃、そして、租税改革と戦費の調達のための国債の発行の停止である。日本ではあまり知られていない当時の背景として、イギリスでは葡萄酒の消費量が急速に増加しており、葡萄酒を生産しないイギリスではフランスからの輸入にすべてを依存していた。そのため、フランスとの貿易赤字が急激に増大していたのである。重商主義による誤った政策では自然の法則をゆがめるだけであり、問題は解決しなかったのである。スミスは、従来の富の概念である貿易による財貨の獲得から労働の生産力の増大へ転回することで経済学を成功させたのである。
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